心の声を丁寧に聴いていく傾聴は、その人の心の中に絡まった糸(思い)を解きほぐしていくことを可能にする。
生きていれば、様々な出来事に出くわし、様々な人々に出会い、様々な考えや生き方に触れる機会がたくさんある。
そうした中で、様々な思いや感情が心の中で絡まってしまうことがある。
その絡まりが複雑過ぎてしまい、自分自身ではどうにもほどけなくなってしまうこともあるだろう。
そんな時、 心の中に絡まった一つ一つの思いをゆっくりと丁寧に聴きながら紐解いていくことができれば、心がスッキリして明日へ向かえる力が湧いてくるようになることだろう。
◇自分自身の心の声を聴く傾聴講座
◇新傾聴講座
9月 2023のアーカイブ
自立の陰にあるもの依存の陰にあるもの
人を頼りにせず、自分で何でもしようとする人の心の中には、
自立という名の孤立がどこかに潜んでいるのかもしれない。
逆に人を頼りにばかりしている人の心の中には、
依存という名の自己喪失がどこかに潜んでいるのかもしれない。
何れにしても、心のどこかに人に対する『不信』の思いが見え隠れするのは否めない。
自立は他者への不信、依存は自己への不信。
人生のどこかの地点で、
『人(他人)は信じない方が良い』
『自分を頼りにできない (頼りにしない方が良い) 』
という冷めた考えを獲得したのかもしれない。
最初から自分も人(他人)も信じていなければ、
何かあったとしても、そんなに傷つくことは無いのだからと・・・
人は皆それぞれ異なった存在なのに・・・
人はそれぞれ皆異なった存在なのに
皆と同じでないと不安に思うところがある。
人はそれぞれ皆人生のプロセスが異なっているのに、
人と同じようなプロセスを歩んでいないと不安に思うところがある。
それだけ人は、孤独感や疎外感をあまり味わいたくないと思う存在なのかもしれない。
しかし皆と同じであろうとして、自分を失ってしまうのであれば、それはまた寂しいことである。
他の人と自分のあらゆる違いを感じることを通して、自分自身を見出してみようと考えられたら、心に少し余裕を持てようになるかもしれない。
親に対して様々な反応をする子供たち
親の重荷を背負って生きている子供がいる。
そのような子供は、親の愚痴を聴いていることが多い傾向がある。
親に迷惑をかけまいと必死で自分の欲求を閉じ込めて生きる子供がいる。
そのような子供は、人の欲求が手に取るようにわかるが、自分の欲求には疎くなってしまい、そのことで後々ストレスを溜め込むことが多くなる傾向がある。
親にどうにか目を向けてもらおうと、様々な問題を親に投げかける子供がいる。
そのような子供は、親をさんざん困らせ、他人からは面倒な子と思われることが多くなる傾向がある。
親の言いつけを守って自分の存在を認めてもらおうと、一生懸命頑張って生きている子供がいる。
そのような子供は、比較的若いうちに生きることに疲れ、燃え尽きてしまったり、自分が何をしたいのか分からなくなってしまう傾向がある。
これらの傾向は、子供にそれぞれ個性があるため、全てに当てはまるとは限らない。
しかしこのような成育のプロセスを経て、両親をはじめとする人との関わりの習慣が身に付いてしまったが故に、大人になってからもその習慣が抜けず苦しんでいる人がたくさんいるのは確かである。
こうしたことで苦しんでいる人たちは、自分自身の関わりの傾向性を知ったうえで、その改善に取り組んでいきたいところである。