人生には多少の無理が効く頑張っても良い時と、頑張らない方が良い時がある。

頑張らない方が良い時に無理をしてしまうと、後々響くようになる。

例えばどう頑張ろうとしても頑張れない、気力のそのものが湧いてこない、心身の不調が収まらないなど、自分の人生を立て直すことが難しくなってしまうことがあるのである。

普段から自分自身の心や体の状態が、どんな状態にあるのか？

そこに注意をはらうことは、人生を有意義なものにしていくためにとても重要なことになる。

今、自分自身が望んでいることは休むことなのか？　

励むことなのか？

よくよく自分と相談して結論を出していきたいものである。

心を鬼にして一生懸命取り組んだことで、心の中に鬼が住み着いてしまうことがある。

一旦鬼が心の中に住み着くと、自分の本心がわかり辛くなることがある。

本当は疲れていて休みが必要な時にも心を鬼にして頑張る・・・

本当はしたくないことも心を鬼にしてやり抜く・・・

このようなことが致し方ないということは時にあるものの、それが日常習慣化してしまうと、厄介なことになることがある。

いつの間にかあまりの厳しさ・ストイックさに人が離れていったり、自分の身体が重い病気に侵されてしまったりと、鬼に任せて素直な心の声を聞かなかったことで、取り返しのつかない事態に陥るようでは元も子もない。

心の中に住む鬼の存在には注意したいところである。

数年前、或いは数十年前の自分と今の自分が、ほとんど変わっていないと感じることがある。

もしかしたら、その数年間・数十年間ルーティンを繰り返していただけなのかもしれない。

人は一度物事に慣れてしまえば、同じことをして日々過ごすことが楽に感じたりする。

しかしそれとは引き換えに、ただ繰り返すことにつまらなさを感じることが多くなったりもする。

そしてそれが更に続いていくと、このまま死んでいっていいのだろうかとふと思うようになったりする。

私たちはたとえ経済的に恵まれていたり安定していたとしても、自分が成長していると感じることが出来なければ、どこか心は不満足になるものである。

富を得ることや、経済的に安定することを目標に生きることは悪くはないが、そこに自分自身の成長が加味されていなければ、その目標が達成されたとしても、どこか心に虚しさを感じて生きることが多くなるかもしれない。

自ら望む成長とは、いったいどんなものなのだろう？

自分自身の心が安定していないと、人生が取り留めのない状態になっていく可能性がある。

周囲の人々の言うことに翻弄され、自分自身の感情に翻弄され、状況に翻弄され、いったいどうしてよいのか分からなくなる。

例えば今日はあの人が優しいから、今日は冷たいからなど、自分に対する相手の態度で、

会社を辞めたくなったり、続けていこうと思ったり・・・

離婚しようと思ったり、結婚生活を続けようと思ったり・・・

相手によって自分の気持ちがコロコロと変わってしまい、いつまでも大事な決断が出来ないということを、体験したことはないだろうか？

もしこのようなことが続けば、人生そのものが取り留めのないものになってしまいかねない。

相手がどうだから、会社がどうだからというよりも、本来自分がその相手や会社に対してどうしたいのか？どうありたいのか？ということが最も大事なことであるはず。

自分の外側にあるものに主導権を与えてしまえばしまうほど、人生の主人公に成なることができない。

自分の人生は、誰かのせいでこうなってしまった・・・

環境のせいでこんな風になってしまった・・・
と嘆くばかり。

終いに自分は無力な存在だと感じるようになり、愚痴や不満ばかりを人に漏らすようになってしまう。

もし最近自分には愚痴が多くなったな、人に対して言い訳をしていることが多くなったなと感じたら、今までの生き方そのものが、外側の状況に翻弄される受動的意識状態になり過ぎてはいないか？見直す時期に来ているのかもしれない。

自分の人生がいよいよ立ち行かなくなってきたと感じる時、

どこをどう切り抜けようとしても良いイメージが持てない時、

どうすればよいのだろう？

今にも問題に押しつぶされそうで、問題を突破する気力さえ湧いてこない・・・

さあどうする？

このような時は、今抱えている問題が始まった最初のところに戻る必要があるかもしれない。

今まで乗り越えてきたつもりでいた問題が、実はあと一歩のところでクリアーされていなかったということはないだろうか？

最初に挫折したあの時の問題を、真にクリアーしてきたと言えるだろうか？

何とか別のことでカバーしたり、別のことに注意を向け、小手先だけの対処を行い続けてこなかっただろうか？

過去においてはそうするしかなかったかもしれないが、年を重ねて様々なことが上積みされ、もうこれ以上はどうすることもできないところにまで来ているのかもしれない。

しかしそのことを逆に考えれれば、年を重ねて様々な経験を積んだ分、その問題をクリアーしていく『知恵』や『力』、或いは『愛の豊かさ』が身についているかもしれない。

今更などと思わずに、もう一度勇気をもってその問題が始まった最初の地点に意識を向け、自分がクリアーしてこなかった問題に再び向き合ってみるのも悪くない。

自分の本質が求めている問題クリアーの状態は、いったいどのようなものなのだろう？

多くの人にとって良いものが、自分にとっても良いものになるとは限らないことがある。

多くの人がこれは体に良いと思って食べているものやサプリメントなども、自分の体に合うとは限らず、かえってそれを摂取することで健康を害していることさえあったりする。

多くの人が行うことが、自分にも適しているとは限らないことがある。

多くの人がするお酒を飲むこと・結婚・子育て・車の運転なども、自分に適しているとは限らない。

皆が良いと言っているから・・・皆がしているから・・・

そのような理由で始めたことが、自分の人生の開花をかえって遅らせるという結果を招くことはよくあること。

自分にとって本当に良いことは何か？

自分にとって本当に適していることは何か？

それに気づくためには、今以上に『自分の特徴』や『他者との違い』に関心を向けることが求められているのである。

人は普段の生活の中でふとした時に得られた小さな気づきによって、人生を変えていくことが可能になる。

いつも同じように慌ただしく忙しい日々を過ごしていたり、お酒や甘いものなど手軽な何かで辛い自分の気を紛らわそうとしているだけでは、自分にとって必要な気づきを得ることは難しい。

なんとなくいつも習慣的に行っていることが、実は自分自身を徐々に苦しめていたり、健康を害することに繋がっていたりすることはよくあること。

そして小さな問題がチョコチョコ起きていることには目を向けずに、それが積み重なっていつか大きな問題となってやってくる。

普段の生活をいつも何気なく過ごすのではなく、また何かに夢中になったまま過ごすのではなく、一旦心や体の働きを休ませ、リラックスした時間を自分に与えることも大切にしたいものである。

何故なら今の自分にとって必要な気づきが起こりやすいのは、そんな心や体がリラックスした時に訪れることが多いからである。