人は自分と近い存在程、同じでありたいというような欲求を持っていたりする。
考え方や価値観が似ている方が、一緒に居て違和感を感じ辛いし、何かと共感が出来て解り合いやすいからだ。
しかし家族のカウンセリングをしていると、家族の成員は似て非なる存在であることが多いと感じる。
父親と息子は、顔が似ているようで中身が違っていたり、母親と娘は性格が似ているようで生まれ持った質が異なっていたりする。
それ故親子で価値観が合わなかったり、気が合わなかったりして不和が生じやすいという傾向も観られる。
そこへもってきて家族なんだから解り合えるはず、長い間一緒に居るのだから解るはずという甘えのような気持を互いがどこかに持っているため、余計に解り合うことが妨げられてしまっていたりもする。
家族だからこそ、近い人だからこそ、そうした思い込みを手放し、価値観の違い、質の違いを冷静に見極め認めたうえで、関係性の再構築を心掛けることが必要になる時があるのである。
今までなんとなく一緒に居られた人とも、一旦距離を置いてその人の本質や、関係性を見直す時期があるということを心に留めておきたいものである。