心が冷めていると

心が冷めていると、そのうち人に対しても自分に対しても冷たい態度を平気で取るようになることがある。

たとえ良いことが起こったとしても、たまたまなどと思ったり、人から優しくされたり褒められたりすることがあったとしても、どうせその時だけだろうなどと思ったりする。

こうした心理を抱える人たちの心の裏側には、常に期待が裏切られるというあきらめのような思いがあったりする。

今までの人生の中で、何度も何度も期待を裏切られるようなことがあったのかもしれないし、自分が温めてきた思いを、何らかの形であきらめざるを得なかったことがあったのかもしれない。

そうした心の挫折を何度も体験するなかで、『期待するのはバカバカしい』『どうせ思い通りにはならないのだから』『どうせ自分なんて価値のない人間なのだから』などと考え、期待を裏切られる前に予防線を張っておいて、自分がこれ以上傷つかないようにしておくのである。

しかしこれが習慣化し心の中に定着することで、様々な弊害がその後の人生に付きまとうようになる。

例えば何らかのピンチをむかえた時に踏ん張り切れず、すぐにあきらめてしまうことを選択したり、ここぞという大事な場面で力を発揮することが出来なかったりする傾向が現れたりする。

また心が冷めているせいもあり、人を温かく見守ることや、人のちょっとした幸せをほほえましく思うことが出来ず、逆に嫉妬心に苛まれる傾向も現れたりする。

更に人に対しても冷めた目で見てしまうところがあるので、ついつい人に嫌味を言ってしまったり、冷たい態度をとりがちになったりすることもあるだろう。

また辛い思いをしている人に対しても、慈悲の目を向けるどころか、ザマアミロなどと思うことが多くなったりもするだろう。

冷めた心は、人生の様々なところに弊害をもたらすことが多い。

しかしこれではまずいと気づいて改善しようにも、一旦冷めてしまった心を温め直すのには、それなりの体験と時間が必要になるだろう。

もしこのような状態になってしまっていたら、自分自身の心の癒しと人生の振り返り、 心温かい人たちとの接触、 人間関係の再構築など、大切な人生のプロセスを慌てず一つ一つ丁寧に取り組み直していきたいところである。



2023年7月28日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : 「ほっ」とTime